統合失調症のお薬(抗精神病薬)について 統合失調症のお薬は決して自己判断で中止しないでください。さらに統合失調症の症状をコントロールするためにしっかり服用しましょう!

統合失調症治療のお薬(抗精神病薬)は、あなたの統合失調症の症状の改善に有効です。絶対に自己判断でお薬を止めてはいけません。心配なことがあれば、医師に相談しましょう。

統合失調症治療のお薬は、統合失調症の症状をコントロールする上で大変重要な働きをします。新しい統合失調症のお薬は、これまでのものと異なり錐体外路障害(手足の振るえ、筋肉のこわばり、小刻み歩行など)などの副作用が比較的少なく、長期に飲みやすくなりました。統合失調症のお薬を飲まない場合と比べ、お薬を飲み続けることで、症状の再発リスクは半分以下に抑えられることが知られています1)

1) Leucht S, et al. Lancet. 379: 2063-2071, 2012

統合失調症のお薬を飲み続けた場合は、飲まない場合に比べて再発リスクが4割に減少します。

また、統合失調症のお薬と死亡リスクに関して、欧州で約7万人の統合失調症のお薬を服用している患者さんを対象として行った調査の結果が、2009年に報告されています。その結果によれば、統合失調症のお薬による治療を受けた患者さんは、お薬による治療がない患者に比べ死亡リスクが30%程度低く、お薬の使用期間が長いほど死亡リスクは下がることがわかりました2)お薬の服用は、患者さんの余命を引き延ばすことも示されています。
一方で、統合失調症でない方と比べるとお薬を飲んでいる統合失調症の患者さんは、心疾患に罹りやすいなどの理由から平均寿命が短いことが指摘されています3)。しかし、心疾患を招く主な理由のひとつであるメタボのリスクを下げることで、統合失調症の患者さんも一般の方と同様に健康で暮らすことができるのです。まずはメタボやメタボにならない方法について正確に学び、適切なメタボ対策を行うことが重要です。

2) Tiihonen J, et al.: Lancet, 374(9690):620-7, 2009
3) Nielsen et al.:Schizophr Res., 146: 22-27, 2013